自分の書いた小説にどんなタイトルをつけるか悩んだことはありませんか?
小説のタイトルは、小説の中身を読んでもらえるかどうかに影響する重要なものです。
頑張って10万字の物語を書いたとしても、たった数文字のタイトルで読まれるか読まれないかが変わることも少なくありません。
当記事ではタイトルのつけ方として8つのパターンを紹介します。もちろん、ここで紹介するパターンがすべてではありません。タイトルは自由につけることができます。
それでも少しでも人に読まれやすくなるタイトルをつけたいという方は、ぜひ当記事を参考にしてください。
- タイトルで小説を読まれる確率を上げたい
- 小説にかっこいいタイトルやオシャレなタイトルをつけたい
- 内容を説明する長いタイトルをつける理由を知りたい
タイトルの8つのパターン
小説の内容を端的に表す
シンプルでいて内容を的確に表したタイトルはスマートでかっこいいものです。
物語の中で重要なキーワード(舞台や物など)をタイトルにするといいでしょう。
そのキーワードそのものをタイトルにしてもいいし、そのキーワードに「物語」「記」「帳」「譚」など物語を意味する言葉をつけるのも一つです。
『羅生門』、『指輪物語』
奇をてらった言葉で興味を引く
普通ではない組み合わせの言葉をくっつけると、インパクトが出て読者の興味を引くことができます。
例えば「月」は黄色か白色が普通ですが、そこをあえて「青い月」とすることで読者に「どういうことだろう? 気になるなぁ」と思わせることができます。
ただし、小説の内容とまったく関係のないタイトルにしてはいけません。
『君の膵臓をたべたい』
例に示した『君の膵臓を食べたい』なんかは、普通では絶対に思わないことを言っているので効果抜群です。しかも猟奇的、反社会的な言葉も人の興味を引く要素となっています。
奇をてらったタイトルを何か一つ考えてみてください。
無茶ぶり! じゃあ『青いポストがうさぎを食べる』とかどう?
タイトル自体をクライマックスの伏線にする
タイトルに伏線を仕込むことで、「ここでタイトル回収かぁ~!」と読者の感情を盛り上げることができます。
ただし、タイトルがひと目で「何かの伏線だな!?」とわかるようにしなければ効果は薄くなります。
上記のパターンの「奇をてらった言葉」と組み合わせると効果は大きくなります。
『すべてがFになる』
なんかカッコイイ感じにする
「なんかカッコイイ言葉」を入れるだけで、人はそのビジュアルに興味を引かれます。
例えば、天、星、龍、覇などの漢字や、天体名、神話に登場する神などのカタカナがカッコイイ言葉に該当します。
『星を継ぐもの』
漢字にカタカナのルビを振る
「カッコイイ」を演出する方法として、漢字にカタカナのルビを振るというものがあります。
それは単に読み方をカタカナで書くのではなく、同じ意味を英語にしたり、意味的な当て字を入れるということです。
ライトノベルで流行していた手法です。
『とある魔術の禁書目録(インデックス)』
例では「禁書目録」と書いて「インデックス」と読みます。
ほかにもどんなものがあるか興味がある方は「ラノベ 当て字ルビ」で検索してみてください。
キャラクターの名前を入れる
小説の魅力が主人公そのものにあり、そのキャラクターを全面的に押し出したいときに、タイトルにキャラクターの名前を入れる方法があります。
『シャーロック・ホームズの冒険』『ハリー・ポッターと賢者の石』
「シャーロック・ホームズ」も「ハリー・ポッター」も、作品名以上にキャラクター名が有名になり親しまれています。
既存の言葉をモジる
既存の言葉や有名なキャッチコピーをモジることで、人の興味を引いたり記憶に残させたりすることができます。
モジる元の言葉が有名であるほど効果的です。
『ノーゲーム・ノーライフ』『ベン・トー』
『ノーゲーム・ノーライフ』は「ノーミュージック・ノーライフ」のモジりで、『ベン・トー』は「弁当」のモジりになっています。
七五調にして語感を良くする
5文字や7文字の言葉は非常に語感がいいので、すんなりと頭に入りやすいし、記憶にも残りやすくなります。
リズムが良いので口に出して読みたくなります。
『アルジャーノンに花束を』
『アルジャーノンに花束を』は「アルジャーノンに」の7文字と「花束を」の5文字の組み合わせになっています。
タイトルで小説の内容を説明する(←Web小説でオススメ)
Web小説やWeb出身の小説では、小説の内容を説明したタイトルがつけられていることが非常に多くなっています。
これは小説タイトルとしてのセンスを度外視し、読者を獲得することに全振りしたタイトルのつけ方です。
Web小説では、タイトルだけを見て読むか判断されることが多くなります。それは、ネット上には膨大な量の無料小説が転がっており、その中から自分の好みの小説を探すのは大変な作業だからです。
だからこそ、タイトルを見ただけで自分の好みの小説だとわかるようにすれば読まれやすくなるのです。
タイトルで内容を説明すると、読んでくれる読者が限定的になりませんか?
なるよ。でもそれでいいんだ。その理由を説明するよ。
Web小説は無料で読めるので、読者はタイトルで抱いたイメージと違ったらすぐに読むのをやめてしまいます。だったら初めから読み続けてくれる人の目だけを引いたほうがいいのです。
受け皿を大きくしようと抽象的なタイトルをつけていては、本当は読んでくれたかもしれない読者すら逃してしまいます。
下の表は私の「カクヨム」における実際のデータです。抽象的で短いタイトルはそもそも最初から閲覧者が少なく離脱率も高いですが、具体的で長いタイトルは短いものより第1話の閲覧者が多く離脱率も低いことがわかります。
また、タイトルは長ければいいというわけではありません。
流行のキーワードをふんだんに盛り込み、そこに自分の作品のオリジナリティー要素を付け加えます。
異世界、転生、転移、召喚、追放、ざまぁ、最強、無双、チート、スキル、勇者、魔王、最弱、無能、無職、ニート、落ちこぼれ、悪役令嬢、婚約破棄、王子、貴族、溺愛される、ダンジョン、配信、Vtuver、バズる
流行のキーワードは時の流れに応じて移り変わっていくものです。キーワードを選定するときは、小説投稿サイトのランキング上位のものを確認したり、コンテストの入賞作を確認したりしましょう。
あるいは、ネット上でどのような言葉が検索されているかを調べるのも一つの手です。「らっこキーワード」というキーワードリサーチツールを使えば、関連するサジェストワードを調べることができます。
ラッコキーワードってアカウント登録も要らないんですか?
登録なしだと5件/日、メールアドレス登録で50件/日の検索が無料で可能だよ。無料でも十分だけど、月額440円の有料プランだと月間検索数まで取得できるよ。
小説のタイトルは読者の心理を考え、賢く決めるべし!
小説投稿サイトのランキングを確認したり、人気キーワードを検索したりして、内容がわかって読者の目を引くタイトルにしましょう。
『(この世界はもう俺が救って富と権力を手に入れたし、女騎士や女魔王と城で楽しく暮らしてるから、俺以外の勇者は)もう異世界に来ないでください。』
読まれるためには、そもそも流行のキーワードを取り入れた内容の物語を書く必要がありそうですね。
最近だと特に「ダンジョン」「配信」「バズる」の3つがトレンドみたいだね。Web上で読まれたいなら情報収集して時流に乗ろう。
まとめ
当記事ではタイトルのつけ方における以下の8つのパターンを紹介、解説しました。
- 小説の内容を端的に表す
- 奇をてらった言葉で興味を引く
- タイトル自体をクライマックスの伏線にする
- なんかカッコイイ感じにする
- キャラクターの名前を入れる
- 既存の言葉をモジる
- 七五調にして語感を良くする
- タイトルで小説の内容を説明する
どのようなパターンのタイトルをつけるにしろ、タイトルが小説の内容と一致していることが何より重要です。関係ないタイトルをつけていると、読者は期待を裏切られた気持ちになってしまいます。
特にWeb小説のタイトルは重要です。読者がつくかどうかに大きく影響します。
ぜひ当記事の内容を参考にして良いタイトルをつけてください。