小説を書くからには自分だけのオリジナリティーを出したいですよね。
オリジナリティーを出す候補としては、ストーリー、キャラクター、ジャンル、舞台、世界観などがありますが、その中でも特にオリジナリティーを出しやすいのはキャラクターです。
ストーリーでオリジナリティーを出そうと思っても、たいていは自分が知らないだけで既存の作品に似たものが出ているものです。
一方で、キャラクターは一つの物語にたくさん登場するので、その中の誰かが読者に刺さってファンになってもらえたりします。
そのためにも当記事を参考にして、ぜひ魅力的なキャラクターを作りましょう。
- 小説にオリジナリティーを出したい
- 魅力的なキャラクターを作りたい
- キャラクターの具体的な作り方を知りたい
キャラクターの作り方
登場人物のリストアップ
まずはこれから書こうとしている物語にとって必要な登場人物をリストアップしましょう。
現段階では、その登場人物の物語におけるポジション、役割だけで構いません。
主人公、ヒロイン、敵、仲間、家族、職場の同僚、ご近所さん、行きつけの店の店員など
どのようなキャラクターが登場するかはジャンルにもよりますが、敵役はバトルものでない作品でもできるだけ作るようにしましょう。敵役がいないと平坦な物語になってしまいます。
登場人物は小説を書きながら追加しても構いません。ある程度そろったら次の段階へ進んでください。
キャラクターを作り込む
リストアップした登場人物それぞれについての設定を固めます。
そのキャラクターを調査してほしいと誰かに依頼され、探偵として調査報告書を出すくらいのつもりで詳しく作り込みましょう。
基本情報
名前、性別、年齢、国籍(種族)、職業(所属)、地位、物語における立ち位置など。
容姿
髪、目、体、服装、その他の目に見える特徴。それぞれについて、形、色、大きさも設定しましょう。
性質
性格、能力、趣味、癖・口癖、長所、短所、好きなもの、苦手なもの、ポリシー(こだわり)、人生の目標、人生での主な出来事など。
必要に応じて上記以外の要素を追加、不要な項目を削除しましょう。
これらの情報は小説内ですべて出す必要はありません。裏設定としてしっかり埋めておけばキャラクターはブレにくくなりますし、描写にも自然と深みが出てきます。
●キャラクター表の例
キャラクター表をいきなり全部埋めるのは大変なので、基本情報や容姿など最低限の情報を決めたら、残りは小説を書きながら考えても構いません。
ただし、主要人物は最初からできるだけ全項目を埋めるようにしましょう。
キャラクター同士の互いの呼び方も決める
登場人物たちが互いに名前の呼び方をコロコロ変えていては不自然なので、きっちりと呼び方を決めておくようにましょう。
呼び方にパターンや変化があっても構いませんが、なんのキッカケもなく呼び方が変わるのはよくありません。
また、敬語かタメ口かなども決めておくといいです。
●呼び方表の例
途中で関係性が変わって呼び方が変わった場合は、その時期と変化をメモしておきましょう。
イメージ画像があるとキャラクター像を固めやすい
キャラクターの容姿をゼロからイメージして作るのはなかなか大変です。
そのため、キャラクターのイメージを固めるためのモデルとして実在の人物や既存のキャラクターを採用するのが有効です。あくまで公開しない裏の設定資料として採用します。
- 芸能人の顔写真
- アニメのキャラクター画像
- アバター作成サイトでキャラクターを作る
- AIでイメージ画像を作る
サイトで作ったアバターやAIで作ったイメージ画像であれば、SNSなどで公開して小説の宣伝に使えます。
アバター作成サイトやAI画像作成サイトは様々なものがあるので、好きなものを使って構いません。私のオススメは『PixAI』というAI画像生成サイトです。
ちなみに私の画像はアバター作成サイト『CHARAT GENESIS』で作られています。
僕の画像は『CHARAT BIGBANG』で作られています。
キャラクターの個性の出し方
個性を出すにはそのキャラクターだけにしかないものを作ると効果的です。
- わかりやすい長所と短所を作る
- 特殊な語尾を付けたり、独特のしゃべり方をさせる
- 極端な性格や能力にする
- 見た目を飛びぬけて派手にする
- 不釣り合いな組み合わせの性質をくっつける(意外性)
- 最強の剣士なのに裁縫が大好き(職業と趣味のギャップ)
- 高身長で筋肉質なのに気が小さい(見た目と性格のギャップ)
「キャラ被り」という言葉があるように、特徴が似たキャラクターを出すと、読者はどっちがどっちかわからなくなってしまいます。
たとえばアニメで登場人物たちの髪色が赤、青、緑とカラフルなのに、金髪だけ2人いたら紛らわしいですよね。
登場人物を考えるにあたって、複数の人物に似た要素を持たせるのはできるだけ避けるべきです。もしそれをやる場合は、他の部分で両者に大きな差をつけましょう。
主人公に設定すべき性質
最低限の道徳観
主人公は基本的に良い人にしましょう。悪い人に設定すると、読者が感情移入しにくくなってしまいます。
悪い人に設定したとしても、犯罪などの一線は越えないようにライン引きすべきです。
人に好かれやすい性質
優秀、勇敢、優しい性格など、人から憧れられるような性質や性格に設定しましょう。
読者は基本的にダメ人間よりも憧れの存在に感情移入したくなります。
「不遇なのに頑張っている」という要素も、読者が自分と重ねて感情移入しやすくなります。
欠点
完全無欠の人には親近感が沸きにくいものです。そのため、魅力的なキャラクターにするには、主人公に限らず欠点を作るべきです。
長期的な目標
主人公の物語上の夢や目標を決めましょう。それは行動を選択する際の判断基準となります。逆にそれがなければ軸がブレブレになってしまう可能性があります。
また、夢を追いかける主人公は読者の目にはかっこよく映るものです。
キャラクター描写のコツ
容姿は具体的なパーツを描写する
容姿を単純に「かっこいい」「かわいい」「美少女」などとするのではなく、そのキャラクターの容姿をパーツで具体的に描写したり、風景描写を絡めて程度を表現したりしましょう。
- 艶のある長い髪がキラキラと流れるように風になびく。
- その可憐な姿はすれ違う人たちの視線を集めてしまう。
性格は具体的なエピソードで表現する
性格を単純に「優しい」などとするのではなく、そのキャラクターがそういう性格であることがわかる具体的なエピソードを書きましょう。
彼は私の調子が悪いことに気づいてくれた。映画のチケットを取ってくれていたけれど、「いいんだよ。おまえが楽しめなきゃ意味がないだろ」と言って、休める所へ連れていってくれた。
キャラクターの特徴を読者に思い出させる
小説を書いていると、だんだんとキャラクターの描写がおろそかになって名前しか出てこなくなることがあります。すると名前が単なる記号になり、読者もキャラクターの姿を忘れて脳内でイメージできなくなります。
キャラクターの容姿やポジションなどを定期的に描写して、読者にそのキャラクターの特徴を思い出させるようにしましょう。
学校の制服のように服装が変わらない場合は、2回目以降で「こういう見た目です」とするのは不自然なので、たとえば「制服のプリーツスカートが風にはためいている」などと風景描写の一環として書きましょう。
まとめ
この記事では魅力的なキャラクターを作るための具体的な手順やコツとして以下の内容を紹介しました。
- キャラクターを作る手順(リストアップ、作り込み)
- キャラクターの個性の出し方
- 主人公に設定すべき性質
- 容姿の描写方法、性格の表現方法
- キャラクターの特徴を読者に思い出させる
小説において、キャラクターというのはストーリーと同等かそれ以上に重要な要素です。
趣味でストレス発散のために小説を書いているのであればテキトーでも構いませんが、公募などで小説家を目指しているのであれば、キャラクターの設定はしっかりと作り込みましょう。
また、単に設定情報を埋めるのではなく、読者に好きになってもらえるようキャラクターに魅力的な特徴を与えましょう。
魅力的なキャラクターを解説しているくせに先生自身は地味ですよね。
君は創作キャラだから派手だけど、僕は自分自身がモデルだからね。