小説の書き方

【小説の書き方】初心者が小説を書くための6つの手順

小説を書くには何をしたらいいの?

「小説を書いてみたい。でも初めてでやり方がわからない」

「小説を書くにあたって、設定で何を決めればいいの?」

初めて小説を書こうと思ったとき、こういう悩みにぶつかって、「モチベーションはあるのに動けない」ということはありませんか?

知らない土地に放り出されてすぐに動ける人はそうそういません。中には知らない土地でも迷いなく進める人もいるでしょうが、たいていの人は困って立ち止まってしまいます。

当記事では、初めて小説の執筆に挑戦する人でもちゃんと小説が書けるよう、その手順をわかりやすく説明します。

小説を書くための6つの手順

小説を書くための手順は以下のとおりです。

  1. 作品のコンセプトを決める
  2. 舞台を決める
  3. キャラクターを作る
  4. プロットを作る
  5. 人称と文体を決める
  6. 書く!

①~⑤ができれば、あとは書くだけです。

前提として、小説の書き方に絶対の正解なんてものはないので、これに縛られる必要はありません。これをヒントや足がかりにして、自由に創作しましょう。

助手ちゃん

先生! 「自由に」とか言ってないで、もっと具体的に教えてください!

レイボン

説明がこれだけだと簡潔すぎるから、ちゃんと説明していくよ。

各手順で具体的に決める内容

それでは、上記の各手順で具体的に決める内容について説明します。

①作品のコンセプトを決める

コンセプトというと漠然としていますが、ここですべきことは自分の書きたいことをはっきりさせるということです。

そのためには、

  1. 作品の長さ
  2. テーマ(何に重点を置くか)
  3. ジャンル
  4. タイトル

を考えます。

作品の長さ

短編、中編、長編、どれくらいの文字量で書くのかを決めます。

文字数としては、おおよそ以下のとおりです。

  •  短編:4千~3万字程度
  •  中編:4万~12万字程度
  •  長編:8万~12万字程度、またはそれ以上

短編より短い小説として、ショートショートや掌編といったものもあります。

初めて小説を書く場合は、長さの分類は気にせずに書いて構いません。短くてもいいので、完結させることを目指しましょう。

テーマ何に重点を置くか

ストーリー、キャラクター、世界観など、何に重点を置いて小説を書きたいのかを明確にします。もちろん、これらは一つに絞らず複数に重点を置いてもOKです。

さらに、自分がその小説で何を書きたいのかをはっきりさせておくと、作品がブレにくくなります。

  • ストーリーに重点を置いて、読者をあっと驚かせる展開を書きたい。
  • キャラクターに重点を置いて、主人公のかっこいい活躍を書きたい。
  • 世界観に重点を置いて、その世界観の雰囲気に浸れる作風にしたい。

ジャンルを決める

小説のジャンルを決めます。以下のことを念頭に入れて決めましょう。

  • 自分の書きたいものに合ったジャンルであること
  • そのジャンルを書ける知識を自分が持っていること

ジャンルを何にするか迷った場合は下記の記事も参考にしてみてください。

どのジャンルで小説を書く?
【小説の書き方】小説ジャンルの選び方! 代表的なジャンル8種を紹介小説を書く際のジャンルの選び方を解説します。...

タイトルを決める

小説のタイトルを決めます。思いつかなければ、本文を書いている途中や、書き終わってから考えても構いません。

小説投稿サイトに投稿しながら書く場合、タイトルを入力しないと本文を入力できないため、最初に決めておく必要があります。

タイトルは好きなようにつけて大丈夫です。ただし、雑につけるのではなく「おもしろそう」と思えるタイトルにしましょう。

小説投稿サイトで読まれやすくするためのタイトルの付け方なんかもありますが、小説を初めて書くような段階であればそれを意識する必要はありません。

人に読まれやすいタイトルの付け方については下記の記事を参考にしてください。

タイトルで読まれろ!
【小説の書き方】小説のタイトルの決め方 ~ 8つのパターンを紹介!読まれるための小説のタイトルのつけ方を解説します。...

助手ちゃん

決めることが多くて面倒です!

レイボン

とりあえずジャンルを決めるだけでもいいよ……。

②舞台を決める

次の2つのステップで物語の舞台を決めます。

現実世界か、架空世界か

舞台を現実世界にするか、架空世界にするか、それぞれメリットデメリットがあります。以下の表を参考にして決めてください。

メリットデメリット
現実世界既存の世界なので、自分でいろいろと設定を作る必要がない・現実世界の知識が必要
・わからないことがあれば調べる必要がある
架空世界現実世界の知識がなくても書ける・自分で設定を作る必要がある
・書いている途中で矛盾に気がついて筆が止まることがある

舞台の詳細を決める

現実世界と架空世界のどちらかによって、決める内容も変わってきます。

現実世界の場合
  • どこの国のどこの都市か、または現実世界にあるという設定の架空の場所か
  • 時代はいつごろか
  • 中心となる舞台はどこか(家、学校、特定の施設、町全体など)
架空世界の場合
  • どういう世界か

⇒どんな国があるか(世界地図)、国同士の関係、言語、政治(王政、民主主義など)、通貨、文明レベル、特徴的な地形、特有の文化など。

世界地図を作る場合、「INKARNATE」というサイトが便利です。無料版で十分に高クオリティーな地図が作れるので、ぜひ活用しましょう。

  • 中心となる舞台はどこか

⇒どこの国のどの都市にいるのか。できれば拠点(家)の見取り図など。

  • 固有名詞にオリジナルの名称をつけるか

⇒単位、食べ物、動物などの物や概念について、どこまでオリジナルの名称にするかを決めます。

・食べ物:りんご → アプル

・単位:キロメートル → キロメル

世界観に合わない固有名詞はオリジナルの名称に変えましょう。

その際、変えすぎには注意が必要です。

オリジナルの名称を使うほど世界観の深みが増しますが、あまりオリジナルの言葉を増やしすぎると、読者が覚えきれずに疲れてしまいます。

オリジナルの固有名詞を作るのは、ほどほどにしましょう。


架空世界の場合、決めることが多くて大変です。そのため、書きながら決めていっても構いません。

ただし、後からつじつま合わせの労力がかかったり、矛盾が生じたりする可能性があるため、できるだけ先に多くのことを決めておいたほうが後々楽になります。

また、先にいろいろと決めておけば、世界観の描写も自然と深みが増してきます。

③キャラクターを作る

以下の手順でキャラクターを作りましょう。

登場人物をリストアップする

  • 主人公
  • ヒロイン
  • 仲間

その他にも、家族、上司、店員など必要な登場人物をリストアップしましょう。

各キャラクターの設定を決める

以下の要素を表にして埋めていきます。

  • 基本情報:名前、性別、年齢、種族・国籍、職業、地位
  • 容姿:髪型・髪色、目の形・色、身長、体型、服装、その他の目に見える特徴
  • 性質:性格、能力、趣味、癖・口癖、長所、短所、好きなもの、苦手なもの、ポリシー(こだわり)、人生の目標・夢、人生での主な出来事
  • 必要に応じて上記以外の要素を追加

これらはすべて埋める必要はありません。保留にしておいて、書きながら付け足していってもいいし、必要なければ項目を削除しても構いません。

ただ、できるだけ多くの要素を決めておいたほうが、人物描写の深みが増します。

逆に何も決めずに書くと、人物像が薄っぺらくなります。

少なくとも主人公の物語上の目標や行動原理(動機)は決めましょう。

また、小説内でキャラクターの何らかの新しい要素を書いた場合、その都度、設定表を埋めましょう。それをサボると後から矛盾が生じやすくなります。思い出すために本文を読み返す労力も減らせるので、できる限り埋めるようにしましょう。

④プロットを作る

プロットを作りましょう。プロットとは物語の筋、構想のこと。要するに小説の設計図です。

プロットをどれくらい作り込むかは人によって違います。まったく作らない人もいれば、最初から最後まで綿密に作る人もいます。

「プロットを作りたいけどどう作ったらいいかわからない」という人は、以下のパーツに分けて物語を練ってみてください。

  1. プロローグ
  2. 物語の導入
  3. クライマックスに至るまでの過程
  4. クライマックス
  5. エピローグ

①~⑤は物語上の順番ですが、思いついたところから考えて構いません。

私のオススメは「④クライマックス→②物語の導入→③クライマックスに至るまでの過程→①プロローグ→⑤エピローグ」の順です。

それぞれ、5W1H〔When(いつ)、Where(どこで)、Who(だれが)、What(なにを)、Why(なぜ)、How(どのように)〕を意識して作りましょう。

項目ごとに、もう少し詳しく説明します。

プロローグ

一般的には「物語の導入」を意味しますが、Web小説の場合はプロローグに見どころシーンを持ってきて、作品紹介の役割を持たせるといいです。このパートは無理に入れる必要はありません。

物語の導入

クライマックスに向かうためのキッカケの出来事を書きます。その前後に世界観や登場人物の紹介の役割を果たす小さいエピソードを入れるといいでしょう。

クライマックスに至るまでの過程

冒険もののファンタジーでいうと、長い旅路、強敵を倒すための準備や対策、敵からの刺客、主人公の葛藤、予期せぬトラブルといった要素を入れます。

クライマックスの直前で、主人公の状況や状態をガクッと落として『谷』を作ると、その後の『山』に向かって読者の感情を大きく動かすことができます。

また、退屈を防ぐために、小説の長さに応じて小さな『谷→山』をいくつか作りましょう。短編ならなくてもOKです。

クライマックス

主人公のストーリー上の目標に対する結果が出るシーンを書きます。物語の『山』となるパートなので、作品内で最も盛り上がるシーンにしましょう。

エピローグ

クライマックスの後、どうなったかの結末を書きます。

物語の進行度における主人公の状況の推移を示した「小説のプロット・ライン」をグラフ化すると、このようになります。

小説のプロット・ライン例。プロットを組む上での物語の進行度における主人公の状況推移の例を示したグラフです。

このプロット・ラインでは、クライマックスまでに『山』と『谷』が複数設置され、クライマックスで『山』の起伏が最大になっています。

これはあくまで一例で、プロローグ時点での状況や、クライマックスに至るまでの山の数や起伏などは、それぞれの作品次第で変わります。

小説のプロットについてもっと詳しく知りたい方は下記の記事を参考にしてください。

プロットを作りたい!
【物語の作り方】小説プロットの形式例4種を紹介小説のプロットの作り方を4種のプロット例とともに解説します。...

⑤人称と文体を決める

人称を決める

人称を決めましょう。人称というのは、一人称、三人称などのこと。それぞれの特徴は以下のとおりです。

一人称
  • 主語が「私」「僕」「俺」など、主人公の視点になっているもの
  • 主人公の心情を書きやすいため、読者が感情移入しやすい
  • 主人公が知り得ないことを書いてはいけない
  • 主人公の心情」が重要な要素となる場合は一人称がオススメ
三人称
  • 「佐藤は~した。」のように、主語が人の名前や職業などになっているもの
  • 一人の人物にフォーカスを当て続ける場合と、群像劇のように複数の人物にフォーカスを当てる場合がある
  • 主人公が知り得ないことも書ける(主人公が知り得ないことを主人公が知っているかのように書くのはNG)
  • 主人公の心情より「ストーリー(物語や舞台の動き)」が重要な要素となる場合は三人称がオススメ

代表的なものは一人称と三人称ですが、それらを組み合わせた複合型もあります。複合型は一人称と三人称のいいとこ取りをできますが、扱いが難しいため初心者にはオススメしません。

一人称?三人称?
【小説の書き方】小説の人称の種類と決め方 ~ 違いを把握して使い分けよう小説の人称の種類と決め方を解説します。...

文体を決める

人称が決まったら、次は文体を決めましょう。

文体というのは、文章のスタイルや様式、つまり地の文の語調です。

一人称であれば、視点となる人物の性格や口調を反映したものになるよう意識します。

三人称であれば、「だ・である調」か、「です・ます調」か、フランクな語り口にするのか、硬い表現を多用するのか、その作品のジャンルや世界観に合ったものにします。

文体がブレブレになると、読者は気持ち悪く感じてしまいます。文体は統一するようにしましょう。

⑥書く!

ここまでで小説を書くための材料はそろったはずです。あとはとにかく書きましょう。小説のレベルを上げるには、とにかく書きまくるしかありません。

当記事は初心者向けなので、推敲や校正については割愛しています。知りたい場合は下記の記事を確認してください。

推敲で小説をブラッシュアップ!
【小説の書き方】推敲のやり方 ~ 推敲で見るべき11のポイント小説の推敲で見るべきポイントを解説します。...

まずは短いものでいいので、小説を一作品、完結まで書き上げましょう。小説を書けたという実績・成功体験が何よりも大事です。

その次にすべきことは、小説を書くにあたっての最低限のルール、文章のマナーを知ることです。二作品目からは人に見せることを意識して書きましょう。

文章マナーについては以下の記事にまとめているので確認してください。

小説を書く上での最低限のルール
【小説の書き方】小説執筆の基本ルール7つ ~ セリフのかっこや感嘆符など文章作法を解説小説執筆における7つの基本ルールを解説します。...

まとめ

小説を書くための6つの手順は以下のとおりです。

  1. 作品のコンセプトを決める
  2. 舞台を決める
  3. キャラクターを作る
  4. プロットを作る
  5. 人称と文体を決める
  6. 書く!

これら6つの項目は、必ずしもこの順番どおりにする必要はありません。考えがまとまらず煮詰まってしまったら、保留にして好きな順番で進めて構いません。

最終的に書ければいいのです!

助手ちゃん

先生、いくら好きな順といっても、さすがに「書く!」の部分は最後ですよね?

レイボン

いや、「書く!」の部分も含めてだよ。気分が乗ったときこそが執筆開始の最高のタイミングだ。思う存分に書こう! 筆が止まったときに改めて他の5つの要素を練り込めばいい。

オススメの小説指南書
【書籍紹介】作家レベル別、小説の書き方の本オススメ8選小説の書き方指南書オススメ6選と、文章力向上指南書2選を紹介します。...