わかりやすい文章を書く上で重要な要素として句読点があります。
- 句点【。】……文の終わりに打つもの
- 読点【、】……文を読みやすくしたり、内容を正確に伝えたりするために文の途中に打つもの
句点【。】と読点【、】を合わせて句読点といいます。
句読点がない文章や、逆に読点を使いすぎた文章は、非常に読みにくいものになってしまいます。
「そんなの小学生レベルの常識だ!」と思われるかもしれませんが、これが意外と難しいもので、作家でさえどこに読点を打つべきか悩むこともあります。
ただ、「こういう場合にはぜひとも句読点を使いたい」という状況があります。
当記事では、その句読点の効果的な使い方を解説します。
- 読みやすい文章を書きたい
- 文章で誤解されやすいのを直したい
どっちが句点でどっちが読点か、いつもわからなくなります。
大事なのは使い方だから、使い方さえ覚えればいいよ。
句点【。】の効果的な使い方
長い文は句点で適度に区切る
一つの文があまりに長くなると、伝えたいことが何なのかわかりにくくなります。
読点を使うことで文を読みやすくできますが、それにも限界があります。
文が長くなる場合は、句点で区切って複数の文に分けるようにしましょう。
助手ちゃんは先生に確認したいことがあって事務所中を探し回ったがなかなか見つからず、いろんな人に訊いて回ってようやく彼を見つけたのは建物の屋上だった。
助手ちゃんは先生に確認したいことがあった。事務所中で彼を探し回ったが、なかなか見つからない。いろんな人に訊いて回り、ようやく彼を見つけることができた。先生がいたのは建物の屋上だった。
読点【、】の効果的な使い方
読点を打って誤解を防ぐ①
読点がないと修飾語がどこにかかっているかがわからない場合があります。
複数の意味に取れる文でも、読点を打つことで意味を明確にすることができます。
- 助手ちゃんは屋上で本を読む先生を見た。
- 助手ちゃんは、屋上で本を読む先生を見た。
- 助手ちゃんは屋上で、本を読む先生を見た。
①の文では、屋上にいるのが助手ちゃんなのか先生なのかわかりません。
②は読点を打ったことで、屋上にいるのが先生だとわかります。
同様に、③では助手ちゃんが屋上にいるのだとわかります。
読点を打って誤解を防ぐ②
読点がないと、言葉の切れ目がわからずに複数の意味に取れる場合があります。
伝えたい内容を誤解なく伝えられるよう読点を打ちましょう。
- 道にはかまが落ちていた。
- 道に、はかま(袴)が落ちていた。
- 道には、かま(鎌)が落ちていた。
①の文では道に落ちているのが袴なのか鎌なのかわかりません。
②は読点を打ったことで道に落ちているのが袴だとわかります。
同様に、③では道に落ちているのが鎌だとわかります。
この例の場合は漢字で書けば判別できますが、ひらがなを使わざるを得ないケースや、子供向けにひらがなにすべきケースなどもあります。
自分の書いた文が別の意味になる可能性がないか、普段から気をつけるようにしましょう。
漢字やひらがなが続く場合に区切る
別の言葉なのに漢字が連続する場合や、似たようなひらがなが連続する場合、一目でどこが切れ目かわからず読者にストレスを与えてしまいます。
読点を打つことで言葉の切れ目をはっきりさせましょう。
- 通勤の都度都市高速を利用する必要がある。
- 先生がいるのは建物の中なのかなかなか見つからない。
- 通勤の都度、都市高速を利用する必要がある。
- 先生がいるのは建物の中なのか、なかなか見つからない。
長い主語を明確にする
主語が長い場合、どこまでが主語なのかわかりにくくなりがちです。主語がわからなければ、その文を理解するのに一苦労するでしょう。
読点を打って主語を明確にし、理解しやすい文にしましょう。
道に袴を落としたのが先生ではないかと思った助手ちゃんは、彼に袴を落としていないか確認した。
例では「道に袴を落としたのが先生ではないかと思った助手ちゃん」が主語になります。
まとめ
句読点の「しっかりと意識をして使うべき5つのポイント」は以下のとおりです。
- 長い文は句点で適度に区切る
- 読点を打つことで意味を明確にする
- 読点を打つことで誤解なく伝える
- 漢字やひらがなが続く場合に区切る
- 長い主語を明確にする
句読点の基本的な使い方はほとんどの人が知っていますが、理想の使い方を追究するとなると難しいものです。
「読点を打たなければ誤解されかねない文」や、「読点を打たなければ理解に苦労する文」については、明確に読点を打つべきポイントがあります。
当記事では、そういったしっかりと意識をして使うべきポイントにしぼって解説しました。
今後、文章を書くときにはぜひ意識してみてください。
句読点の使い方の細かいルールって何かに書いてありますか?
記者ハンドブックで確認するといいよ。